聖パトリック旗はイギリスの構成地域の一つである、北アイルランドを示すために使われることもあります。
ただし、実際の地域の旗として現在使われているのは全くの別物である点は注意が必要です。
聖パトリック旗の説明
聖パトリック旗はアイルランドの守護聖人である、聖パトリックのシンボルと言われるものです。
スコットランドの国旗と同じくサルタイアーと呼ばれる斜め十字であり、また同じく地域の守護聖人の象徴であります。
聖パトリック旗の由来と歴史
1783年に聖パトリックの騎士団が設立された際、騎士団のレガリア(王権などの象徴)に含まれていたことに遡ります。
ではなぜレガリアとして使われたのか。
これには3つの説が提唱されておりまして、
- 聖パトリックの十字架はアイルランドで古くから使われていた。記録が不明瞭なのは珍しい旗だったため。
- アイルランド貴族の最高位の一人であったリンスター公爵は白地に赤の紋章を扱っており、また騎士団の創設者でもあった。そこからレガリアに含まれたという説。
- 17世紀初頭より、聖パトリックの日である3月17日に紙やリボンで作られた十字架を着用する習慣があった。その影響によりレガリアに聖パトリックの十字架があしらわれた。
といったものです。
どれが正しいかについては明言することはできませんが、確実性が高い事実としては聖パトリック旗が聖パトリック騎士団のレガリアから来ているということでしょう。
聖パトリック旗の余談
聖パトリック旗は現在のイギリス国旗に北アイルランドを示すものとして含まれたデザインです。
スコットランドが地域を示す旗として現在もセントアンドリュークロスを使っていることから、アイルランドも同じく聖パトリック旗を使っているような誤解が生まれそうですが、実際にアイルランド域旗として使われているものは違います。
中央に描かれた”赤い手”は、アルスターの赤い手と呼ばれるもので、その名の通りアルスターを示すものです。
アルスターとはアイルランド島北東部に位置する地方のことで、そこまで知っておくとアイルランドを示す理由がわかることかと思います。
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